「身支度」と「身仕度」には、何か使い分けがあるのでしょ ...

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小社『大漢和辞典』には、「支度」は載っていますが「仕度」は載っていないのです。

「支」という漢字は、「ささえる」という意味でおなじみですが、実は「はかる」という ... 以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。

2008年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0482 「身支度」と「身仕度」には、何か使い分けがあるのでしょうか? A国語辞典で「したく」を調べてみると、書き方としては「支度」「仕度」の両方が載せられています。

つまり、例によって「どっちでもいい」というヤツで、特に使い分けがあるわけではありません。

しかし、漢和辞典で調べてみると、ちょっと違ったことがわかります。

小社『大漢和辞典』には、「支度」は載っていますが「仕度」は載っていないのです。

「支」という漢字は、「ささえる」という意味でおなじみですが、実は「はかる」という意味も持っています。

「度」の方にも同じような意味があって、「支度」の2文字で「計算する」という意味になる、というのが、この熟語の本来の意味だったようです。

この「計算する」が、「前もって計算する」となり、それが「前もって準備する」という意味に変化していった結果、現在、私たちが使っている「支度」という熟語が生まれたのでしょう。

一方の「仕度」は、どうやら本来は当て字だったようです。

日本語の「し」というのは実は厄介者で、一種の当て字が用いられているのに、いかにも正式な書き方のように居座ってしまうことが、よくあるのです。

たとえば、「試合」と書いても、現在ではだれも当て字だとは思わないでしょうが、「しあい」は本来、「○○しあう」から来ていることばで、「試」という漢字を用いるのは、当て字の一種です。

また「仕事」も同様で、この「し」も本来「する」の活用形ですから、「仕」と書くのはやはり当て字です。

「当て字」というと、なにかイケナイことのように思われがちですが、私たちは知らないうちに当て字を使っていることもあるのです。

なんだか詐欺にあったような気がする方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの当て字は、使ったからといって害があるわけではありません。

そう思って見ると、なかなかかわいいヤツらじゃありませんか。

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